参考事例 |
相談者 |
このごろ夜眠りが浅く、うつらうつらして夜明けに目がさめてしまう。
眠ってもどうにも疲れが取れず、朝、気分がのらない。ネジを巻いて、やっと出勤するという感じである。
こんなことは今までなかった。我ながら情けない。こういう自分がいやである。それに、家族に申し訳ない。
食事時になっても空腹感がなく、食べれば食べられるが、おいしいと感じられない。
半年間、何とかしようと頑張ったが、どうすることも出来ない。
夫に付き添ってきた妻
愚痴っぽくなり、何となくいつもの生気がないと思いはじめたのは、1〜2カ月前からのことである。
この前の日曜日、私に「さびしいからそばにいてくれ」と言った。びっくりした。
今までそんな事をいう人ではなかった。事実、私が台所へ立つとついてくる。
買い物に行こうとすると、早く帰ってほしいと言う。はっきりとは言わないが、ため息ばかりついている。
しかし、どういう訳か夜になると、何時も通りテレビを見たり、子供としゃべったりしだし、翌日の月曜日の普通に出勤したので、そのままにしていた。
自分としても、夫がノイローゼなのかどうか、はっきりしない。
相談者
Aさん65才、家族は妻と暮らしている。
生来、まじめで責任感が強く、周囲への気配りも細やかで、これまでのサラリーマンライフにおいても大体順調に過ごしてきた。
それが仕事を退職してから調子を崩した。
第一に気が小さくなった。つまらないことが気になって、後々まで心にひっかかる。
以前は、そういうことがあっても、2〜3日すれば印象が薄れていたのに・・・
その上、何をやっても面白くないし、集中力もなくなって、好きな読書も出来なくなってきた。
物忘れが激しくなって、自分がぼけてきたのではないかと、気にかかる。それから、ちょっとした判断力がつきにくて困る。
うつ病は気づかれにくい
身体の不調ばかりが目についたり、気持ちの問題だとかたづけられてしまうからである。
●うつ病の人の43%は受診していなかった受診した人のうち31%しか投薬を受けておらず、抗うつ薬の投与を受けていた人は25%にしか過ぎなかった。(ベルギー・フランス・ドイツ・オランダ・スペイン・イギリスの78463人中)
質問
「精神科なんかにかかりたくないし、精神科で出される薬なんか飲むのはいやだ。」
というAさんに、どのように助言したらよいか。
薬をのんで医者と相談する事は大切だということを理解させる。
心に薬は、情けない事ではない。(薬は役立つことがある)
心の問題は、脳の働きの問題なので、きちんと薬を飲むのがよいことを伝える。(抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、睡眠薬など)