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日本工業新聞 2002年1月10日付け記事から 『手書き文字認識』 東京農工大学工学部中川研究室(上) 東京農工大学工学部情報コミュニケーション工学科の中川教授は、手書き文字認識を中心としたマン−マシン−インターフェース開発に取り組んでいる。 昨年末に米国で世界初の「eペン」が発売されたのを皮切りに今年はさまざまなペン型入力装置が登場する。 今年後半には、いよいよ米マイクロソフトもウィンドウズXPを基盤とした「タブレットコンピュータ」で参入し、ペン入力の真価が試される。 日本人を悩ませてきた「キーボード」を駆逐できるるのかは、認識性能と利便性にかかっている。 中川研究所では、三百人に一万字を書いてもらった延べ三百万文字の手書き文字データベースを持ち、これをもとに強力な認識処理エンジンを開発している。 データベースには、日本企業だけでなく海外のコンピューターメーカーからも引き合いがある。 手書き文字認識は現在、「パーム」などのPDA(個人情報端末)に搭載されているが、枠の中に一文字ずつ書いていくのが基本だ。 これではメモを取るような速さで、というわけにはいかない。 中川教授らは、枠がなくても文字のサイズや間隔のパラメーターから一文字ずつ切り出し、認識する技術を開発している。 念頭にあるのは、いかにユーザーの思考を中断しないかだ。 手書きインターフェースは、なにもディスプレーや専用タブレットに向かって書くだけではない。 スウェーデンのアノト社が発売を予定しているペンは、薄いドットが印刷された専用紙にメモすると、ペン先に仕込まれたマイクロカメラが軌跡を記録し、無線によってパソコンなどに送信する仕組みだ。 中川研究所でも、同様に紙を使った「ペーパーインターフェース」など技術のさらなる展開を図っている。 認識技術エンジンの高性能化だけでなく、手書き文字認識の利点を生かしたアプリケーションの開発も課題だ。 電子白板に表示された文字群から熟語を作っていくゲームなどのソフトを開発し、小学校など「教育」の現場で実践している。 現在のコンピューターでは、教育ソフトが生徒を教え、教師はただ立っているだけと、せっかくの教師の教育スキルが生かせていない。 手書き認識は、人がコンピューターに使われない社会を取り戻すきっかけとなる筈である。 |